独楽吟

「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」
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「たのしみは 常に見慣れぬ 鳥の来て 軒遠からぬ樹に鳴きし時」
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「たのしみは 珍しき書 人にかり 始め一ひら ひろげたる時」
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江戸後期の歌人 橘曙覧(たちばな あけみ)の

<楽しみは>で始まり <○○時>で結ぶ五十二首の連作『独楽吟』

日常の暮らしの些細な喜びを 素直に生き生きと歌うこの歌集は、百数十年と云う時の隔たりを感じさせないほど、「アァ~そうだね!」っと共感できるものです。


自然への素直な共感、家族との団欒、友人知人との付き合いや、貧しいながらも日々の生活を、慈しむそんな優しさに溢れています。

「たのしみは 木の芽煮やして大きなる 饅頭を一つ ほうばりしとき」
 

「たのしみは 三人の児どもすくすくと 大きくなれる 姿見るとき」


「たのしみは 心を置かぬ友どちと 笑い語りて 腹をよるとき」


≪独り 楽しむ≫ 心を遊ばせて、小さな日常に喜びを見出す。

中には、こんな歌まで・・
「たのしみは 嫌なる人の来たりしが 長くもをらで 帰りける時」
嫌なはずのことも、終わってみればヤレヤレ・・・ホッとして、も嬉しいひとときですね!

国学者でもあった、曙覧の歌風は、万葉ぶりと云われますが、それ以上に素朴で素直な生活感情のままに歌っています。

こんな一首があります。
『偽りの巧みをいうな 誠だにさぐれば歌はやすからむもの』
・・心にも無いことを上手に詠むな、真実を求めて正直に詠めば歌はやさしくうまれてこよう・・・
 
短歌・俳句の革新をめざした正岡子規が この曙覧を近代短歌の先駆者として高く評価したのも頷けます。

<日々是好日>
小さな楽しみを見つけながら≪独り楽しむ≫日々を送りたいものです。

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この記事へのコメント

2011年10月03日 19:45
今晩は。
好いですね!
>素朴で素直な生活感情のままに・・・好いですね!
それが難しいのですよね一番!
そうありたいと、随分思うことですが、現実はなかなか・・ほど遠い日暮です・・(笑)
>「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」・・・実感です。
もしかして明日にもハマギクの開花が見られそうです。
2011年10月03日 22:59
彼岸花は、種が出来る事があるのでしょうか?
赤い花から白い花はどのようにして生まれたのでしょうね?
蝸牛
2011年10月04日 07:33
やろいさま
あァ咲いたって、嬉しいものですね!
どんなに忙しくても、気持ちだけはゆっくりゆったり、自然や日常を楽しむ気持ちを忘れないようにしたいです。
蝸牛
2011年10月04日 07:37
ひこうちゅうねんさま
真っ白な彼岸花は清楚で凛としています。
これはどうやら、栽培用に改良されたもののようです。
薄く色のついた黄色っぽいものも見かけますよ。
あさがお
2011年10月04日 19:11
「たのしみは 心を置かぬ友どちと 笑い語りて 腹をよるとき」
私のたのしみは これですね。
それと 親しい友と ランチする時。
蝸牛
2011年10月05日 08:02
あさがおさま
気のおけない仲間とワイワイがやがや、これが一番ですね! 
日常の些細な事に眼を向けて楽しめる、喜べる、そんな気持ちのゆとりを忘れないようにしたいです。
2011年10月06日 18:46
ヒガンバナも大勢は終りに近づきつつありますが・・・まだまだ、次々と立ち上がってきますね。
シベを大きく広げて咲く様は見事で・・・何度でもカメラを向けてしまいます(大笑い)
俳句や短歌を写真と一緒に添えることが出来たら良いのですけどね。
がんばろ!
蝸牛
2011年10月07日 10:29
Tatehikoさま
ヒガンバナの群生は川辺が燃え上がったようです。
<楽しみは・・・・の時>このパターンで日々のたのしみ探しをしてみるのもイイかも
2011年10月13日 07:28
蝸牛さんへ
お早うございます。橘曙覧、全くしりませんでした。いやぁー成程成程です。この本は現在販売されていますか?是非読んでみたいです。
蝸牛 
2011年10月13日 08:37
ひょうすけさま
本屋で偶然見かけて・・・へぇ~って買ってしまいました。文庫本で<952円> 
<橘 曙覧・独楽吟> 岡本信弘編 
グラフ社 です。
まだ、昨年出版されたばかりです。

岩波文庫にもあったらしいのですが・・

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